Wednesday, November 30, 2005

工場へ曲る角に新聞雑誌の屋台店がある。ニーナは昼休みに仲間によんできかせてやるため、毎朝そこで『プラウダ』を買って行く習慣だ。店番をしている十五ばかりのナターシャがニーナを見て今朝は「お早う」のかわりに、「今日は私達の日ね、おめでとう……」とニコニコしながら嬉しそうに云った。「今日の『プラウダ』はいいよ」 ニーナが受けとった新聞の第一面に、なるほど大きくクララ・ツェトキンの写真がでている。「国際婦人デーについて」という長い論文ものっている。『プラウダ』ばかりでなく、ソヴェト同盟でだしているすべての新聞が、今朝は婦人デー特輯なのだ。 並木道を工場の方へ曲ると、工場の正門に赤旗がいきいきはためいている。托児所の煉瓦の建物の窓も、赤旗である。 続々とやってくる婦人労働者たちは、みんな勇んでその門を入って行く。五ヵ年計画がはじまってから誰でも七時間労働だが、今日は特別である。婦人労働者だけは全体に一時間早く仕事をきりあげる日なのだ。

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